「新電力のメリットとデメリットには何があるの?」
「新電力に乗り換える前に確認しておくべきポイントを知りたい」
新電力は従来の電力会社とは異なる特徴があります。
そのため、メリットとデメリットを比較し、自分に合うかどうかを判断することが大切です。
本記事では、新電力のメリットとデメリット、乗り換え前に確認すべきポイントについて分かりやすく解説していきます。
本記事を読めば新電力についての理解が深まり、適切な電力会社を選択できるようになります。
新電力とは?

「新電力」とは、電力自由化により登場した新しい電力会社のことです。
まずは新電力の基本をおさえておきましょう。
- 電力自由化で選べるようになった小売電気事業者
- 旧一般電力会社との違い:発電と送配電は分離、料金メニューが多彩
電力自由化で選べるようになった小売電気事業者
電力自由化以前は、東京電力や関西電力などの大手電力会社が独占的に電気を供給していました。
しかし、電力システム改革の一環として電力の小売が全面自由化されたことで、ガス会社や通信会社など、さまざまな業種の企業が電力市場に参入できるようになりました。
料金プランの多様化や環境配慮型電力など、消費者のライフスタイルに合わせた選択肢が広がっています。
電力の品質や安定性はこれまでと変わらないよ!また、停電リスクが高まることもないから、安心して使えるよ!
旧一般電力会社との違い:発電と送配電は分離、料金メニューが多彩
旧一般電力会社と新電力の違いを表にまとめました。
旧一般電力会社 | 新電力 | |
発電と送配電の関係 | 発電・送配電・小売を一体で担う | 発電・送配電と小売が分離されている |
電気の供給エリア | 地域独占が基本 | 全国どこでも契約可能 |
料金体系 | ・基本プラン中心 ・選択肢は少なめ | ・多彩な料金メニュー ・セット割や時間帯別などあり |
契約・解約の手続き | 書類提出が必要なこともある | Web完結で手続きが簡単 |
旧一般電気事業者(大手電力会社)は、発電から送配電、小売までを一貫しておこなっていました。
一方、新電力の多くは自前の発電所や送配電網を持たず、おもに発電事業者から電気を調達し、既存の送配電網を利用して家庭に電気を供給しています。
また、新電力は基本料金が無料のプランや、特定の時間帯の電気料金が安いプランなど、多彩な料金メニューがある点も特徴です。
新電力では、割引や特典を用意している電力会社もあるよ!
新電力の3つのメリット

新電力には料金の安さだけでなく、環境配慮や利便性など、家庭にうれしいメリットが多くあります。
ここからは、新電力の3つのメリットについて見ていきましょう。
- 家計を節約できる―基本料金ゼロ・セット割で最大10%安くなるケースがある
- 再エネやCO₂フリーなど環境志向のプランを選べる
- Web完結で申込み・解約が簡単、引っ越し時も楽ちん
家計を節約できる―基本料金ゼロ・セット割で最大10%安くなるケースがある
新電力の最大のメリットは、電気料金を節約できる可能性があることです。
多くの新電力では、従来の電力会社よりも割安な料金プランを提供しています。
また、ガス会社や携帯電話会社などが提供する新電力では、電気や携帯電話といったサービスとセットで契約するセット割引が用意されているケースもあります。
セット割引が適用されれば、月々の支払いがトータルで安くなるケースも少なくありません。
使い方や契約プランによっては、年間で数千円から数万円の節約効果が期待できるよ!電気料金が安い電力会社を知りたい人は、こちらの記事を参考にしてみてね!

再エネやCO₂フリーなど環境志向のプランを選べる
環境問題への関心が高まる中、再生可能エネルギー由来の電気を使いたい、あるいはCO₂排出実質ゼロの電力プランを選びたいと考える方が増えています。
新電力の中には、太陽光や水力といった再生可能エネルギーの比率が高いプランや、実質的にCO₂排出量ゼロとみなせるCO₂フリープランを提供している事業者があります。
環境に優しいプランを選ぶことで、日々の電気使用を通じて地球環境の保全に貢献できるのはうれしいポイントです。
環境志向のプランは、SDGsの観点からも注目されているよ!今後も環境に優しい電力プランは増えていくかもね。
Web完結で申込み・解約が簡単、引っ越し時も楽ちん
新電力への切り替え手続きは、インターネット上で簡単にできるケースが多いです。
検針票を手元に用意し、ウェブサイトの指示に従って情報を入力するだけで申込みが完了します。
工事の立ち会いや追加費用も原則不要です。
さらに、現在の電力会社への解約手続きも新しい電力会社が代行してくれるため、手間がかかりません。
また、引っ越し先でも同じ新電力を継続利用できる場合が多く、住所変更手続きもオンラインでスムーズにおこなえます。
忙しい方や手続きが面倒だと感じる方にとって、この手軽さは魅力的なポイントです。
僕も何度か新電力の切り替えをしているけど、本当に簡単だよ!引っ越し時も転居した初日から問題なく使えたから、今後も使い続ける予定だよ。
新電力の3つのデメリット

新電力には魅力的なメリットがある一方で、注意すべきデメリットやリスクも存在します。
料金プランの特性や事業者の安定性などを事前にしっかり確認しておくことが、後悔しないための重要なポイントです。
- 市場連動型プランは電力卸価格の高騰リスクがある
- 会社倒産や撤退時は最終保障供給に移行すると料金が割高になる
- 解約金や違約金が発生するプランもある
市場連動型プランは電力卸価格の高騰リスクがある
新電力の料金プランの中には、市場連動型プランと呼ばれるものがあります。
「市場連動型プラン」とは、日本卸電力取引所(JEPX)の取引価格に連動して電気料金の単価が変動するプランのことです。
市場価格が安いときは、電気代も安くなる可能性があります。
しかし、燃料価格の高騰や需給バランスの逼迫などにより市場価格が高騰すると、電気代が大幅に上昇するリスクがあります。
特に近年では、世界的な燃料価格の変動が大きいため注意が必要です。
市場連動型プランを選ぶ際はリスクを十分に理解し、価格変動に関する情報提供が丁寧な事業者を選ぶようにしましょう。
電力価格が安い時間帯に電気を使用すれば、電気代を安くできるよ!市場連動型プランについて詳しく知りたい人は、こちらの記事を読んでみてね!

会社倒産や撤退時は最終保障供給に移行すると料金が割高になる
新電力事業者が倒産したり、電力小売事業から撤退したりするリスクもゼロではありません。
契約している新電力が倒産や電力事業から撤退するような状況になった場合でも、電気が突然止まることはありません。
最終保障供給という制度があり、一時的に地域の大手電力会社から電気が供給されることとなります。
ただし、この最終保障供給の料金は、通常の料金プランよりも割高に設定されているのが一般的です。
そのため、新しい電力会社へ速やかに切り替える必要があります。
新電力を選ぶときは、事業者の経営状況や実績なども確認するようにしようね!
解約金や違約金が発生するプランもある
一部の新電力では、最低契約期間内に解約すると解約金や違約金が発生するプランがあります。
特に、一定期間の継続利用を条件に割引率を高めているプランや、キャンペーンを適用して契約した場合などに設定されていることが多いです。
契約前には、契約期間の縛りの有無や解約金が発生する条件、金額を必ず確認しましょう。
引っ越しの予定がある人や、他社への乗り換えを検討している人は、解約金のないプランを選ぶことをおすすめするよ。ただ、違約金がかからない新電力もあるから、事前に調べておくといいよ!

新電力が“向いている”家庭・“向かない”家庭

新電力への乗り換えは、すべての家庭にとって必ずしもメリットが大きいとは限りません。
家庭での電気の使い方やライフスタイルによって、新電力の恩恵を最大限に受けられる場合と、そうでない場合があります。
そこで、新電力が向いている家庭とあまり向いていない家庭の特徴を具体的に解説します。
- 向いている:電気使用量が多い、ガス・携帯とのセット割を活用したい世帯
- 向かない:夜間使用が多い、オール電化で固定単価が有利な世帯
向いている:電気使用量が多い、ガス・携帯とのセット割を活用したい世帯
一般的に、毎月の電気使用量が多い家庭ほど、新電力に乗り換えることによる料金削減効果を実感しやすい傾向があります。
電気料金は、基本料金と電力量料金で構成されることが多いです。
電力量料金の単価が少しでも安くなれば、使用量が多いほど削減額も大きくなるためです。
また、家庭で利用しているガス会社や携帯電話会社などが新電力サービスを提供している場合、セットで契約することで割引が適用されることがあります。
複数サービスをまとめて契約したいと考えている方にとって、新電力は有力な選択肢となるでしょう。
ポイント還元サービスを提供している事業者を選ぶと、さらに実質的な割引を受けられるよ!
向かない:夜間使用が多い、オール電化で固定単価が有利な世帯
オール電化住宅に住んでいて、夜間の電気料金が大幅に割り引かれる旧一般電力会社のプランを契約している場合、新電力に乗り換えることで電気代が高くなってしまう可能性があります。
また、電気使用量が非常に少ない世帯も、基本料金込みの従来プランのほうが結果的に安くなる場合もあります。
電力会社の乗り換えを検討する際は、現在の電気使用パターンと新電力の料金単価を時間帯別に比較してみよう!
失敗しない新電力選びのチェックリスト

数多くの新電力の中から、自分に最適なプランを見つけ出すのは簡単なことではありません。
料金の安さだけに注目してしまうと、思わぬ落とし穴にはまることも考えられます。
そこでここからは、新電力選びで失敗しないためにチェックしておきたい重要なポイントを解説していきます。
- 料金単価と燃料費調整額の有無
- 上限価格と解約金の条件
- 再エネ比率やCO₂排出係数
- サポートチャットやアプリの使いやすさ
料金単価と燃料費調整額の有無
まずもっとも重要なのが料金単価です。
基本料金と電力量料金の単価をしっかり比較しましょう。
また、見落としがちなのが燃料費調整額です。
「燃料費調整額」とは、火力発電の燃料価格変動を電気料金に反映させるもので、多くの電力会社で導入されています。
この燃料費調整額に上限が設定されているかは非常に重要です。
上限がない場合、燃料価格が高騰すると電気料金が大幅に上がる可能性があります。
過去の実績や今後の見通しも含めて確認しましょう。
シミュレーション結果だけでなく、実際の利用者の口コミや評判も参考にすると、より正確な料金負担を予測できるよ!
上限価格と解約金の条件
市場連動型プランなど、料金単価が変動するプランを選ぶ場合は、上限価格が設定されているかどうかを確認することが重要です。
上限がないと、電力市場の価格が高騰した際に青天井で電気料金が上がってしまうリスクがあります。
また、契約期間の縛りや解約金の有無、金額も必ず確認しましょう。
特にキャンペーンなどで魅力的な条件が提示されている場合、解約条件が厳しいケースがあります。
上限価格と解約金を確認しておかないと、想定外の支出が発生する可能性があるよ。
再エネ比率やCO₂排出係数
環境に配慮したい方は、再生可能エネルギーの使用割合やCO₂排出係数も比較しましょう。
これらの情報は、電力会社のウェブサイトやパンフレットで公開されている場合があります。
また、将来的な再エネ比率向上の計画や、持続可能性への取り組み姿勢も事業者選びの重要な判断材料となります。
資源エネルギー庁の電力比較サイトでは、新電力各社の再生可能エネルギー比率やCO₂排出係数を比較できるから活用してみてね!
サポートチャットやアプリの使いやすさ
困ったときにすぐ相談できるチャット機能や、電気使用量を手軽に確認できるスマートフォンアプリの有無も重要です。
操作性やレスポンスのよさは、日常的なストレスの軽減にもつながります。
特に、停電時の連絡体制が整っているかどうかは必ず確認しておこう!
まとめ

新電力への乗り換えは、電気代の節約や環境貢献など、多くのメリットをもたらす可能性があります。
しかし、料金プランの多様化や市場リスクなど、事前に理解しておくべき注意点も存在します。
新電力に乗り換える際は、料金単価の比較だけでなく、市場連動リスクや事業者の安定性など、多角的な視点から検討することが失敗を避けるポイントです。
まずは現在の電気使用パターンを把握し、複数の事業者でシミュレーションを実施して、自分の家庭に最適なプランを見つけましょう。