「投資をしようと検討しているけど、どれくらいの資金を回せばよいのかが分からない」
「ほかの家計の投資割合を知って、参考にしたい」
近年では、新NISAやiDeCoなどで資産形成をする方が増えています。
しかし、投資にはさまざまなリスクがあり、元本割れすることも珍しくありません。
そのため、家計に占める投資割合を決めておかなければ、必要なお金を使えなくなってしまう可能性が高まります。
本記事では、家計に占める最適な投資の割合や注意点について解説していきます。
家計における投資の平均額は?

家計における投資の平均額について見てみましょう。
2014年から2023年の10年分のデータを、こちらの表にまとめています。
なお、保険やその他金融商品は除いたデータとなっています。
金融資産合計額 | 有価証券 | 金融資産に対する有価証券の割合(小数点第2以下切り捨て) | |
2014年 | 1,182万円 | 199万円 | 16.8% |
2015年 | 1,209万円 | 214万円 | 17.7% |
2016年 | 1,078万円 | 174万円 | 16.1% |
2017年 | 1,151万円 | 207万円 | 17.9% |
2018年 | 1,174万円 | 224万円 | 19.0% |
2019年 | 1,139万円 | 224万円 | 19.6% |
2020年 | 1,436万円 | 287万円 | 19.9% |
2021年 | 1,563万円 | 506万円 | 32.3% |
2022年 | 1,291万円 | 418万円 | 32.3% |
2023年 | 1,307万円 | 427万円 | 32.6% |
参考:金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和5年調査結果(2025年4月19日時点)
上記のデータを見ると、金融資産に対する有価証券の割合が増加していることが分かります。
資産形成の必要性を感じ、投資割合を増やしている傾向があるようです。
特に、2021年以降の金融資産に対する有価証券の割合の増加率は、目を見張るものがあるね!
年代別に比較!投資の状況

続いて、世帯主の年代別の投資状況も紹介していきます。
世帯主の年齢別 | 金融資産合計額 | 債券 | 株式 | 投資信託 |
20歳代 | 249万円 | 0万円 | 17万円 | 32万円 |
30歳代 | 601万円 | 11万円 | 126万円 | 59万円 |
40歳代 | 889万円 | 18万円 | 166万円 | 88万円 |
50歳代 | 1,147万円 | 28万円 | 183万円 | 95万円 |
60歳代 | 2,026万円 | 96万円 | 407万円 | 190万円 |
70歳代 | 1,757万円 | 110万円 | 369万円 | 153万円 |
参考:金融広報中央委員会 各種分類別データ(令和5年) ― 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年以降)|知るぽると(2025年4月19日時点)
保有する金融資産が増えるにつれて、投資額も増えています。
債券よりも株式の投資額が多いことから、リスクを取った投資が好まれているようです。
金融資産が多くなるほど余剰資金が増える傾向があるから、投資に回せるお金も増えるんだね!
投資をする際のお金の分類方法

投資をする際は、家計にあるお金を分類して、投資資金を明確にしておきましょう。
家計のお金は、下記の3つに分類できます。
- 生活費
- 予備費
- 投資費
それぞれの分類方法について見ていきましょう。
生活費
まずは生活費を確保することが、家計管理の第一歩です。
生活費を明確にしておけば、あまったお金を投資や貯蓄に回せます。
生活費は安定した生活を送るために必要なお金です。
生活費には住宅費や食費、光熱費などが含まれます。
それぞれの支出を記録して、ひと月にいくらあれば生活できるのかを計算しておけば、投資成績がよくない時期があっても安心です。
支出が多い時期があったとしても、最低3か月分の生活費を手元に置いておくようにしましょう。
ひと月の生活費が30万円の家庭なら、最低でも90万円を確保しておこうね!生活費の平均や適切な負担割合について知りたい人は、こちらの記事を読んでみてね。

予備費
「予備費」とは、急な出費に備えるためのお金を指します。
たとえば、冠婚葬祭や大型家電の故障、突発的なケガの医療費など、予期せぬ支出に対応するために必要です。
予備費はすぐ使う予定はないものの、いざというときにすぐ使える状態が理想です。
そのため、普通預金やタンス貯金のように、すぐに引き出せる方法を選ぶとよいでしょう。
また、生活費と別の管理方法を選択することで、想定外の出費があったとしても、投資費を崩すことなく対応できます。
予備費は生活費の3か月分が目安だよ!こちらの記事は予備費について詳しく解説しているから、読んでみてね!

投資費
「投資費」とは、将来の資産形成を目的とした金融商品に投資するための費用のことです。
金融商品には株式や債券、投資信託などがあり、さまざまな種類があります。
投資にはリスクがあるため、生活費と予備費を確保した状態でなければ、手元資金を投資費に回すべきではありません。
生活に支障の出ない範囲内で、リスクをおさえつつ投資をすることが重要です。
あくまでも目安ですが、手取り収入の10%から20%を投資に回すとよいでしょう。
相場状況や選んだ金融商品によっては、元本割れになってしまう可能性もあるよ。余剰資金内で投資をすることが重要だね。
投資をする際の注意点

投資は資産形成に役立つ点が魅力的ですが、思わぬ損失を被るリスクもあります。
特に投資初心者は、基本的な注意点をおさえることが成果を上げるカギとなります。
ここからは、投資をする際に知っておくべき注意点について解説するので、目を通しておきましょう。
- 生活に支障のない範囲で投資する
- 目的に沿って投資方法を選ぶ
- 情報に振り回されない
生活に支障のない範囲で投資する
投資をするうえで重要なポイントのひとつが「余剰資金で投資すること」です。
日常生活で必要な生活費や急な出費に備える予備費を投資に回してしまうと、値下がりしている金融商品を売却しなければならない状況におちいる可能性があります。
特に株式や仮想通貨といった金融商品は値動きが激しいため、短期間で大幅な価格下落をみせることも考えられます。
生活費と予備費を確保した状態で、手元に余ったお金を投資に回すようにしましょう。
最近ではアメリカのトランプ大統領が関税政策をおこなうと発表して、株価が大幅下落したよね。このように、投資には予期せぬ事態が発生することもあるから、余力がある状態で投資をしようね。
目的に沿って投資方法を選ぶ
投資をする目的は人それぞれです。
リスクをおさえた金融商品を選びたい人もいれば、ハイリスクな投資によりハイリターンを狙いたい人もいます。
しかし、金融商品の特徴を理解していなければ、適切な商品選択ができないでしょう。
まずは、投資方法や金融商品の特徴などを調べてから投資をはじめましょう。
FXや仮想通貨、株式は大きなリターンが狙えるけど高リスクだよ。債券や国債などはリターンは少ないけど、リスクも低めだよ。
情報に振り回されない
SNSやYouTubeなどでは「この株は上がる」「この投資方法を実践すれば儲かる」といったポジティブな情報があふれています。
しかし、これらの情報を鵜呑みにするのは危険です。
もしかしたら、根拠のない情報や、ポジショントークかもしれません。
投資をする際は、複数の情報を比較・検証して信憑性があるかどうかを確認しましょう。
納得できるまで調べることが求められます。
他人が発信した情報を安易に信じず、中長期的な視点を持って投資を続けることが安定した資産形成につながります。
楽して儲けたい気持ちは分かるけど、そんなに簡単ではないよね。情報に振り回されず、地に足をつけて投資をすることが重要だよ!
まとめ

家計に占める最適な投資の割合は、手取り収入の10%から20%です。
ただし、最適な投資割合は家庭によって異なります。
まずは生活費と予備費を確保しておき、余ったお金で投資をするようにしましょう。
投資をする際の注意点は、下記の3つです。
- 生活に支障のない範囲で投資する
- 目的に沿って投資方法を選ぶ
- 情報に振り回されない
株式や投資信託などの金融商品は元本保証ではありません。
リスクをおさえつつ、中長期的な目線で投資をすることをおすすめします。
資産運用をすると、証券口座や銀行口座など、複数のお金を管理する必要があります。
口座ごとのお金を管理するのは大変です。
そこでおすすめなのが資産管理アプリです。
資産管理アプリを活用すれば、銀行口座や証券口座などを一元管理し、お金の見える化ができるようになります。
こちらの記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
