近年キャッシュレス決済はますます普及しており、様々なサービスが登場しています。
現金よりも簡単に使えて、ポイントがたまるなどお得に使えることもあり、活用したいと考える方も多いです。

一方で、
「数多くのサービスが存在し、自分にあった決済サービスがわからない」
「還元率が高く、お得なサービスがどれかわからない」
というような悩みも存在します。

この記事では、
・キャッシュレス決済サービスを活用する際の比較基準
・還元率が高いおすすめのサービス
などについて徹底解説しますので、ぜひご覧ください。

キャッシュレス決済の種類

キャッシュレス決済は、下記の3種類に分けられます。

・クレジットカード
・電子マネー
・QRコード決済

どのような特徴があるのか、順番に見ていきましょう。

クレジットカード

クレジットカードは、商品やサービスの購入時に利用できる決済方法です。
商品やサービスの利用代金は、一か月ごとにまとめて後日請求されます。

クレジットカードのメリットは、対応している店舗数の多さです。
電子マネーやQRコード決済には対応していなくても、クレジットカードなら決済できる店舗があるので、利用しやすいでしょう。
また、利用代金に応じてポイントが付与されるクレジットカードも多いです。
楽天ポイントの使用頻度が高い方は楽天カード、PayPayを利用したい方はPayPayカードといったように、特定のポイントが貯まるクレジットカードを活用するとよいでしょう。

クレジットカードの注意点としては、審査に通過しなければ使用できないことです。
審査落ちしてしまうと、クレジットカードが発行できないため、そのほかのキャッシュレス決済を選択することとなります。

また、年会費がかかるクレジットカードもあります。
クレジットカードの利用状況によって、年会費が免除されるケースもあるので、確認しておきましょう。

電子マネー

電子マネーとは、電子データを活用して支払いをおこなう決済方法のことです。
現金をデータ化して、商品やサービスの購入時に利用します。

電子マネーは下記の3種類に分類されます。

種類	一例	特徴
交通系電子マネー	・Suica・PASMO	・交通機関の定期券として使用できる・クレジットカードとの紐づけにより、オートチャージが可能
流通系電子マネー	・nanaco・WAON	・対象の店舗で割引が受けられる・クーポンが発行され、お得に買い物ができるケースがある
クレジットカード系電子マネー	・iD・QUICPay	・暗証番号を入力せずに、専用の端末にタッチすれば決済が完了する・期間限定のキャンペーンがおこなわれているケースがある

QRコード決済

QRコード決済とは、QRコードを活用したキャッシュレス決済のことです。
スマートフォンにアプリをインストールして設定を済ませておけば、決済ができるようになります。

QRコード決済は、決済方法や支払方法に違いがあります。
QRコード決済の理解を深めるためにも、下記の項目について見ていきましょう。

• 決済方法
• 支払方法

決済方法

QRコード決済の決済方法には、ストアスキャン方式とユーザースキャン方式の2種類があります。
下記の表を参考にしてください。

決済方法	特徴	利用時の流れ
ストアスキャン方式	スマートフォンに表示されているQRコードを、店舗側がスキャンする	1.利用者がQRコード決済アプリ内のQRコードを表示する2.店舗側がQRコードをスキャンする
ユーザースキャン方式	利用者が店舗に設置されているコードをスキャンする	1.利用者はQRコード決済アプリを立ち上げ、店舗にあるコードをスキャンする2.利用者は決済金額を入力する3.店舗側が入力金額を確認して、問題がなければ決済をおこなう

支払方法

QRコード決済の支払方法は、下記の3つがあります。

• 前払い
• 後払い
• 即時払い

それぞれの特徴は下記の表にまとめています。

支払方法	特徴
前払い	・事前に現金をチャージしておく・残高が不足していると決済ができない
後払い	・クレジットカードを登録しておき、一定期間分の利用代金が後日請求される・クレジットカードを、QRコードにて決済していると考えれば分かりやすい
即時払い	・決済時に、登録した銀行口座の残高から利用代金が引き落とされる・銀行口座の残高が不足している場合は、決済不可

キャッシュレス決済を比較する際の基準

多くのキャッシュレス決済が登場しているため「どのように選べばよいのかわからない」と悩んでしまうかもしれません。
そこで、ここからはキャッシュレス決済を比較する際の基準について見ていきましょう。

キャッシュレス決済を選ぶためには、下記の4つのポイントをチェックすることをおすすめします。

• ポイントの還元率の高さ
• 利用できる店舗・通販サイト
• ポイントの使い道の多さ
• キャンペーンの多さ

ポイントの還元率の高さ

キャッシュレス決済で重視したいポイントのひとつに、ポイントの還元率の高さがあげられます。

利用するキャッシュレス決済によっては、特定のポイントが貯まります。
ポイントの還元率が高ければ高いほど、ポイントを貯められるのです。

ポイントの還元率は、利用するキャッシュレス決済によって異なります。
0.5％から1％程度のポイントが貯まるケースが多いです。

また、キャッシュレス決済アプリとクレジットカードと紐づければ、ポイントの2重取りが可能です。
還元率が高いキャッシュレス決済アプリとクレジットカードの組み合わせは、以下の3つです。

キャッシュレス決済アプリ	クレジットカード	ポイント還元率	備考
PayPay	PayPayカード	2％	クレジットカードの種類やPayPayによって異なる
楽天ペイ	楽天カード	1.5％	キャンペーンとの併用によって、ポイントの還元率が上がることも
d払い	dカード	1.5％	dポイントカードを提示すれば、ポイントの3重取りが可能

自分に適した、キャッシュレス決済アプリとクレジットカードの組み合わせを見つけてみましょう。

ポイントの使い道の多さ

利用代金に応じて、ポイントが貯まるキャッシュレス決済があります。
ただし、せっかくポイントが貯まったとしても、使用する機会がなければ失効してしまうでしょう。

そこで、貯まったポイントがどのように使えるのかを確認してみましょう。
ここからは、ポイントの使い道の例を3つ紹介します。

ポイント	使い道の例
PayPayポイント	・店舗での支払い・公共料金の支払い・ポイント運用に充てる
楽天ポイント	・楽天市場での支払い・楽天ふるさと納税の決済・金券に交換する
dポイント	・ドコモの携帯料金の支払い・dポイントの加盟店での支払い・JALマイレージバンクのマイルに交換する

キャンペーンの多さ

不定期となりますが、独自のキャンペーンを実施するキャッシュレス決済があります。
キャンペーンを実施しているキャッシュレス決済を利用すれば、お得な特典が受けられます。

キャッシュレス決済のキャンペーンでよく見られるのが、利用代金に応じたポイント還元です。
たとえば2024年4月時点では、対象の自治体でPayPay支払を実行すると、PayPayポイントが還元されるキャンペーンをおこなっています。
利用するキャッシュレス決済のキャンペーンの多さを、チェックしておきましょう。

なお、事前申し込みが必要なキャンペーンもあります。
上記のケースでは、事前申し込みをしなければキャンペーンの対象外となってしまうため、キャンペーン内容を確認しておきましょう。

キャッシュレス決済のメリット

キャッシュレス決済にはさまざまなメリットがあります。
キャッシュレス決済のメリットを活かすためにも、下記の内容について知っておくとよいでしょう。

• 支払いがスムーズにできる
• キャンペーンやポイント還元で現金よりお得
• 現金を持ち歩かずに決済ができる

支払いがスムーズにできる

キャッシュレス決済が普及する前は、現金による支払いが一般的でした。
現金での支払いは、自分でお札や小銭を財布から取り出す必要があります。
おつりが出ないように小銭を数えると、多くの時間がかかってしまいます。
また、自分の前の方が会計に時間がかかるケースも珍しくありません。

キャッシュレス決済では、クレジットカードを提示したりQRコードをスキャンしてもらったりするだけで、簡単に支払いが完了します。
小銭を数える必要はなく、スムーズに会計ができるようになりました。
さらに、会計を待つ時間の短縮にもつながり、スピーディな買い物が可能となります。

キャンペーンやポイント還元で現金よりお得

キャッシュレス決済によっては、キャンペーンが実施されるケースがあります。
キャンペーンでは、ポイント還元や現金のキャッシュバックなどが受けられます。

お得な特典を得るためにも、定期的にキャンペーン情報をチェックするとよいでしょう。
なお、キャンペーン情報はキャッシュレス決済アプリから確認できます。

現金を持ち歩かずに決済ができる

小銭がたくさん入っている財布は重く、かさばってしまいます。
また、現金がいくらあるのかを確認しながら買い物をすることに、ストレスを感じてしまうかもしれません。

キャッシュレス決済では、現金を持ち歩かなくても決済ができます。
財布の重さを感じることはありません。
さらに、財布の中にいくら入っているのかを気にする心配もなくなります。

現金を持ち歩かずに決済ができる点は、キャッシュレス決済の大きなメリットだといえるでしょう。

キャッシュレス決済のおすすめサービス10選

自分に合っているキャッシュレス決済を選ぶためには、条件の比較が重要です。
下記では、キャッシュレス決済のおすすめサービス10個を比較しました。

キャッシュレス決済名	相性のよいクレジットカード	ポイント還元率	利用できる店舗例
PayPay	PayPayカード	0.5％～2.0%	・セブンイレブン ・Joshin ・東武百貨店
楽天ペイ	楽天カード	1％～1.5%	・イトーヨーカドー ・ウエルシア薬局 ・洋服の青山
メルペイ	メルカード	1％	・イオン ・アカチャンホンポ ・ビックカメラ
モバイルSuica	「ビュー・スイカ」カード	0.5〜2.0％	・ニューデイズ ・ららぽーと ・コメダ珈琲店
Olive	oliveフレキシブルペイ	0.5%	・ミニストップ ・マクドナルド ・ドトールコーヒーショップ
d払い	dカード	0.5％～1.5%	・ニトリ ・ミスターマックス ・タワーレコード
au Pay	au PAYカード	0.5％～1.5%	・西友 ・東横INN ・イエローハット
FamiPay	ファミマTカード	0.5％	・ファミリーマート ・セイムス ・魚民
AEON Pay	イオンカード	0.5％～1.0%	・イオンモール ・ミニストップ ・アート引越センター
nanaco モバイル	セブンカード・プラス	0.5％～1.0%	・LOFT ・くすりの福太郎 ・ENEOS

なお、還元率は利用する店舗やクレジットカードの紐づけの有無などの条件により、変動します。
キャッシュレス決済を選択する際の目安のひとつとして、比較・検討するとよいでしょう。

PayPay

PayPayはキャッシュレス決済における、代表的なサービスのひとつです。
2024年3月時点では、ユーザー登録数が6,300万人を突破しており、人気の高さがうかがえます。

PayPayを導入している店舗は多く、コンビニやスーパーマーケットなどで決済ができます。
PayPayなら決済ができる個人店もあり、使い勝手がよいです。

また、PayPayはお得なキャンペーンを定期的に実施しています。
さらにクーポンを事前に獲得しておけば、決済時に自動的に適用されるので、面倒な操作は必要ありません。

キャッシュレス決済選びで迷った際は、PayPayを選択しておくとよいでしょう。

楽天ペイ

楽天グループを愛用している方におすすめしたいのが、この楽天ペイです。

楽天カードを使ってチャージしたのち、楽天ペイで決済をすれば、ポイント還元率が1.5％となります。
楽天カードは年会費が無料であり、人気の高いクレジットカードです。
楽天カードを愛用しているのであれば、楽天ペイを活用して、ポイント還元率を高めましょう。

また、楽天ペイでは楽天ポイントを利用して決済ができます。
使用期限が決まっている期間限定ポイントも利用できるため、楽天ポイントを失効してしまうリスクを減らせられます。
さらに、楽天ペイは2023年度にはQRコード決済業種における主要6指標にて1位を獲得しており、信頼度も高いです。

メルペイ

メルペイは、フリマアプリとして知名度の高い株式会社メルカリが運営しているキャッシュレス決済です。
メルカリの売上金をメルペイ残高として、店舗での買い物に利用できます。
もしメルカリの売上金がなくても、銀行口座を登録しておけばチャージが可能です。

また、メルペイはクーポンの種類が充実しています。
過去にはマクドナルドやセブンイレブン、ダイソーなどで利用できるクーポンが提供されていました。
メルペイのクーポンは不定期での提供となっているので、定期的にチェックしておきましょう。

以前はクレジットカードの登録ができない点が、メルペイのデメリットでした。
しかし、近年ではメルカードが登録できるようになりました。
メルカードの新規入会特典として、お得なクーポンを配布しています。（2024年4月15日まで）

メルカリを利用する機会が多い方は、メルペイの利用の検討をおすすめします。

モバイルSuica

Suicaをスマートフォンで利用できるのが、モバイルSuicaです。
タッチするだけで、簡単に交通機関の利用ができる点がSuicaのメリットです。
モバイルSuicaは、Suicaマークがある場所で簡単に買い物ができるアプリとして人気があります。

モバイルSuicaの利用で貯まるのがJREポイントです。
JREポイントはSuicaのチャージや買い物での支払い、JRE POINT WEBサイトで商品との交換などに使えるので、利便性が高いです。

電車移動などでSuicaを利用している方は、モバイルSuicaが適しています。

Olive

Oliveは三井住友銀行の口座やクレジットカード、ポイントなどをまとめて管理できるサービスのことです。

Oliveのアカウントを開設すると、Oliveフレキシブルペイが発行されます。
Oliveフレキシブルペイはキャッシュカードやクレジットカードなどの機能が利用できる、画期的なカードです。
多くのカードを持ち歩かずに済むでしょう。

Oliveの魅力といえば、ポイントの還元率の高さがあげられます。
サービスの組み合わせにもよりますが、最大で20％ものポイント還元が受けられます。

ポイントの還元率を重視している方は、Oliveの利用を検討してみてはいかがでしょうか。

d払い

d払いは、株式会社NTTドコモが提供しているキャッシュレス決済です。

d払いを活用すれば、ポイントの3重取りが可能です。
d払いの支払い方法にdカードを設定して、dカードポイントカードを提示します。
支払い時に、d払いで決済をすることが3重取りの条件です。
d払いを利用するのであれば、dカードを発行しておきましょう。

また、d払いではモバイルオーダーが簡単に利用できます。
オーダーから決済まではd払いアプリで完結します。
あとはお店で商品を受け取るだけです。

d払いは、ドコモの携帯電話を使用していない方も利用できます。
dカードを保有している方は、積極的にd払いを活用しましょう。

au Pay

通信事業者の大手であるKDDI株式会社が提供しているau Payは、キャンペーンの多さが魅力的です。
2024年4月時点では、Pontaポイントが当たる抽選や還元率をアップしたキャンペーンがおこなわれています。
また、毎月5と8の付く日にau Payで決済をすると、Pontaポイントが多く獲得できるチャンスがあります。

貯まったPontaポイントは、auの携帯電話料金の支払いに使える点もメリットです。
携帯電話料金の支払いを削減できるので、日々の節約につながるでしょう。

さらに、au Pay残高のチャージに使えるau Payカードは、新規入会特典が充実しています。
au Payを利用するのであれば、au Payカードも発行しておくことをおすすめします。

FamiPay

ファミリーマートで買い物をする方に適しているのが、FamiPayです。
FamiPayは、株式会社ファミリーマートが提供しているキャッシュレス決済です。

FamiPayのポイントの還元率は、何もしなければ0.5％と決して高くはありません。
しかし、翌月払いとステップボーナスを併用することで、最大5％ものポイント還元が受けられます。

また、FamiPayで知っておきたいのは無料クーポンの存在です。
ファミリーマートの商品が無料となるクーポンが配布されるケースがあるので、定期的にチェックしましょう。

AEON Pay

AEON Payは、イオングループのアプリであるiAEONに搭載されたキャッシュレス決済です。
イオングループをはじめ、ミニストップやヤマダ電機などでの決済に利用できます。

AEON Payを利用するためには、イオンカードか銀行口座との紐づけが必要です。
イオンカードは一部のクレジットカードを除いて、年会費や発行手数料はかかりません。
イオングループで買い物をする機会が多い方は、好きなクレジットカードを発行しておくと便利です。

また毎月20日と30日におこなわれるイオンのお客様感謝デーでは、AEON Payで決済すると、残額キャッシュバックが受けられるキャンペーンが実施されています。
ただし、WAON POINTが付与されないクレジットカードを登録していると、キャンペーンの対象外となる点に注意しましょう。

nanaco モバイル

nanacoカードのモバイル版といえるキャッシュレス決済が、nanacoモバイルです。
nanacoモバイルを利用すれば、決済の際にnanacoカードを用意する必要はありません。
nanacoモバイルをインストールしたスマートフォンを、専用の端末にかざすだけで決済が完了します。

nanacoモバイルにチャージをするときは、セブンカード・プラスの利用をおすすめします。
nanacoモバイルでの決済では、200円につき1ポイントが貯まる仕組みです。
セブンカード・プラスにてチャージをすると、こちらも200円につき1ポイントが貯まります。
計で1％のポイント還元率となるので、nanacoモバイルとセブンカード・プラスの紐づけをおすすめします。

まとめ

キャッシュレス決済の数は多く、どのサービスにすればよいのか迷ってしまうかもしれません。

もしキャッシュレス決済選びに迷った際は、ポイント還元率の高さやポイントの使い道の多さなどを比較・検討するとよいでしょう。
キャッシュレス決済を導入する店舗は増加傾向にあり、今度も利用できる機会は増えることでしょう。

この記事で解説した内容を参考にして、自分に合ったキャッシュレス決済を選んでみてはいかがでしょうか。